一般社団法人 DOTリノベーションの経営理念

日本木造住宅の七不思議の一番は、寿命が30年と極端に低く、海外先進国の半分以下だということです。2007年、自由民主党住宅土地調査会は200年住宅を提案しました。200年住宅が実現すれば、国民の住居費は軽減し、住宅は資産となり、環境負荷もていげんし、・・・と良いことづくめでした。

が、その後の展開は、①なぜ寿命が短いのか、②どうしたら長寿命が実現するのか、という技術的内容は言及されず、結局表1のように今も日本木造住宅の寿命は30年前後です。この間、関連法の整備だけが進み、今も短命住宅の理由と対策は出来ていません。
私たちNPOホウ素系木材保存剤普及協会の会員は長い間この問題と取り組んで参りましたが、このたび次の結論に足しました。
1) 木造住宅の寿命が短いのは、効果が5年しか持続しない農薬系薬剤を防腐防蟻剤として使い、5年後の再処理に際し、建築基準法を無視し外壁内構造材を再処理しないからである。
2) 再処理しない理由は、再処理技術が不完全で、できても膨大な費用が予想されるからである。

再処理は外壁内装の除去、断熱材除去、防腐防蟻処理、断熱材再充填、内装張替えの手順を踏むことにりますが、毎回の費用が100~200万円程度と予想され、200年では3000万円以上の出費になるでしょう。経済的に無理です。これまで、住宅会社は住宅の初期投資を抑えるため、さらには農薬会社の権益を守るため農薬に固執しました。しかし、農薬を木材の防腐防蟻処理に使うのは中止すべきです。
私たちは、農薬を使用せず、毒性の低いホウ酸塩やACQのような無機化合物の使用を提案します。このため、新しい一般社団法人を立ち上げ、新築、リフォームの両面でホウ酸塩を普及させたいと考えております。安心安全で200年持つ住宅技術を提供する。これがわが一般社団法人の経営理念です。
私はむかし繊維会社に勤めていましたが会社の先行きが怪しくなり、とにかく住む場所が必要だということで大急ぎで頭金をかき集め、マイホームを建てました。自分の家がツーバイフォアと在来工法の中間だと気が付いたのは20年ほどしてからです。大いに反省しました。やはり家を建てるには家族が議論し、1~2年勉強する必要があります。
住宅会社さんは耐久性についての理解と自信とが必要でしょう。200年持つ家を建てるのですから。
防腐防蟻処理会社さんは、特にリフォームする際に、住宅がリフォームに値するか、建て替えた方がよいのか判断する責任があります。また、リフォームの場合は均一な防腐防蟻処理の技術を体得し、同時に省エネルギー技術や耐震化技術の習得も必要です。
次回から、マイホームを建てる方、住宅会社、防腐防蟻処理会社の方々用のセミナーについて解説します。

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